2015年01月30日

250ccスポーツ

 つい数年前まで、スクータと片手で数えるくらいしかなかったネイキッドがあったくらいの250ccのクラスでしたが、ここに来て急に250ccのロードスポーツクラスが活気づいている気がします。
 ロードスポーツの定義ってのもまた曖昧ですが、まあいわゆるカウルのついた、バイクに詳しくない人が見たら「なんかレースに出てるバイクっぽい」と思うようなヤツです。
 このあたり、ツアラーとかが入り混じっていてややこしいんですが、そのあたりは明確にジャンル分けされづらいところではありますから、それはまあよいでしょう。

 先鞭を打ったのはカワサキで、250TRとかエストレヤのようなシングルの「のんびりツーリング&街乗りレトロ風バイク」だけだったところに、突如として現われた2気筒のNinja250。
 排ガス規制や騒音規制で、昔のスポーツバイクのような馬鹿馬力は出てないものの、20馬力前後のシングルエンジンばかりだったこのクラスには衝撃の31馬力という高出力、見るからに攻撃的で速そうでカッコよさげなフォルム、そして「Ninja」という、バイクに興味を持った人なら気にならないではいられない名前。
「免許はとったけど、なんかカッコいいのもないし、スクータでも買うかなあ」と思っていた若い人とか、昔こういうスポーツバイクでブイブイ云わせていたけどいろいろあって降りてしまったリターンライダとかから熱い支持を受けたのはある意味当たり前だったのかもしれません。
 街中でもけっこう見かけますね。

 その後はホンダが、同じく伝統の名前を引っ張り出してきたCBR250Rを出してきて、これはシングルでNinjaより少し馬力の低い27馬力。
 それでもいまの時代で、シングルで27馬力出てるんだからたいしたもんです。

 そして極めつけのように、ヤマハがYZF-R25を出してきて、こいつは驚きの36馬力ですよ。
 バイクが熱かったというか、メーカの競争が過熱していた頃に出ていたNSRとかCBRとかだと40馬力超えてましたし、昔を知ってる人には物足りないかもしれませんが、これだけ規制規制でがんじがらめの中での36馬力ってのはたいしたもんだと思います。
 スズキもGSR250Fというのを出しております……が、こちらは馬力競争には参加しない24馬力。ちょっと毛色が違う気がしないでもありません。

 ああいやいや、速く走る、うまく走る、気持ちよく走るためには馬力がすべてではなく、トルク、車重、ギア比、足回りその他、数字に現われない要素も含めてトータルバランスが非常に大切だってのはよくわかります。SDR200なんて馬力はたいしたことないですがむちゃくちゃ速いですからね。さらに云えば、馬力が低いほうが乗りやすいケースもあるなんてのは百も承知です。
 んでも、250cc(以上)のギア付きバイクなんてものはそのほとんどが趣味の乗り物。頭ではわかっていても、同じような値段で売ってる20馬力と30馬力を比べたら30馬力が欲しくなるってのが人情です。こらもう理屈じゃありません。俺はお前のより馬力出てる!っていうハナシで盛り上がれるのもバイクの楽しみ方のひとつなんではと思うわけです。

 乗りやすいように馬力を下げたモデルもあって、さらにそういうスペック感を満足させるハイパワーモデルもあって、どっちもありますよってならよかったんですが、今までは後者の選択肢を選ぶには、中古車を買うか輸入車を買うかしかなかったわけですね。
 そこに選択肢ができたことが大きいわけです。

 車検がなくて維持費が安い250クラスってのは、ある意味バイクに興味を持った人がまっさきに入ってくるところなわけで、ここにハイパワーでカッコいいバイクが手厚いってのはこれからのことを考えると非常にいいことなんではと思います。
 そしてこれらが、フラッグシップのように店に飾られていて「中古になって安くなったら買おう」と思わせるんではなく、割と手ごろな、アルバイトをがんばれば現実的に新車で買えるかなって値段で売られるってことに意味があるんでしょう。
 海外生産でコストダウンをしているということに対しての反感もありましょうが、これはもうこういう時代なんだから仕方ないと割り切るしかありますまい。
 ただ、このクラスに再び元気が出てくれば、もしかしたらこれらがまた国内生産に戻ってくる可能性だってあるわけで、とりあえず突破口を開かないことにはなんにも始まらんわけですね。

 ま、CBRという名前を単気筒のバイクにつけていいのかみたいなこともあったりはするんでしょうけど、個人的にはそれはそういうもんかなという気はします。単気筒だからいかんとか、30馬力出てないからいかんとかそういうことではなくて、トータルで走るのが楽しいとか、それこそ上に書いたように軽さと単気筒エンジンの特性を生かして馬力では劣るけどむっちゃくちゃ速いとかそんなんだってあるでしょうし、CBRは4気筒じゃなきゃいかんとかいうことでもないわけでして、まあ、いいんではないですかね。

 250ccのバイクって、なんというか、維持費の安さからくる気軽さばかりが注目されていて、だからこそそれで荷物も詰めて二人がゆったり乗れて高速道路が走れるスクータが手厚いんでしょうけど、ここにもう少し大きいクラスと同じように、馬力とか走りとかを語れるスポーツバイクが出てきて、ちゃんとそれなりに数が出ているってのは面白いし、すごくいいなあと思うんですよね。
 夜のファミレスに集まって、俺のバイクは36馬力だ! いや、俺のは27馬力だけど軽いからコーナでは負けない! とか、そういうハナシで盛り上がる若い人たちってのが出てきたらいいなあ、と。
 ……って、35年前のバイクに乗ってるヤツに云われたかないだろうけどな。
 だってスタイルはあれが好きなんですもの。

 しかし、かえすがえすも36馬力ってのはすごいなあ。
 このままホンダやカワサキが黙ってるとも思えないですし、馬力競争が過熱していくとまた昔みたいなとんでもないエンジンがぽっと出てきたりもするんですかね。
posted by TAKAMI Yui at 14:54| Comment(0) | バイク