2015年04月20日

スーパーカブ90 房総林道暴走アタック

 バイクでツーリングというか、林道アタックをしてまいりました。

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 スーパーカブで。

 バイクの旅行で、林道アタックという楽しみ方があるのは前から知っていましたが、やったのは生まれてはじめてです。
 なんていうか、いままでオフロードのバイクに興味をもったことがなくて、必然的に乗れる範囲としてガレ道みたいなところというのは範疇外だったわけですね。
 いつもツーリングとかをいっしょに行っている知り合い(というか、わたしにバイクを教えてくれた大学の後輩なんですが)が最近オフ車を買いまして、オンロードから切り替えてこちらを楽しんでいる様子。
 で、その流れでずっとお誘いは受けていたのですが、なかなか時間が合わず……といったところで、ようやく実現したのでした。

 後輩氏のバイクはヤマハ・トリッカー。
 超ロングセラー・セローの走破性そのままに、デザインをスタイリッシュにしたモデルですね。このあたりはさすがデザインのヤマハ。
 わたしはツーリングだと今は実質カブかCBで、少しの砂利道とかならともかく、多少荒れたりするともうCBじゃどうにもならないわけですから、カブしかのこらないわけです。

 実はネットなんかで検索するとわかるんですけど、意外とカブで林道アタックをしている人ってのは多いんですね。
 カブの走破性は素晴らしい、みたいな話もこのあたりから出てるんでしょうけど。
 かと思うと、「カブの走破性はたいしたことない」なんて書いてあることもあり(まあ、ビジネスバイクですからそちらが当たり前ですね)、どっちやねん!なんて思ってました。
 その手の林道カブは、もともとがハンターカブとかクロスカブなんていわれるいわゆる「オフロードカブ」であったり、あるいはタイヤをオフロード車が履くブロックタイヤにしてあったりすることが多いんですが、わたしのカブはほんとにノーマルです。エンジンはもちろん、マフラーやタイヤもそのまま。じゃまになりそうなレッグシールドもつけっぱなし。
 こんなんでどれくらいいけるか、というところでした。
 転んだときに使い物にならなくなりそうなので、前につけた前カゴは外しましたが、それ以外はリアボックスも付けっぱなしです。

 場所は千葉県の房総半島南側、富津。まずここまで行くのが大変だった。
 90ccですから高速道路は使えないわけで、ひたすら下道を行くしかないんですが、住んでいる江戸川区から富津の待ち合わせ場所まではおよそ道のり90キロ。
 まあ、たしいたことなかろうと思っていたら、まあ市街地の90キロって疲れますね。
 バイクでもなんでも、信号のない高速道路とか山道とかであれば、90キロなんて楽勝なんですが。
 土曜日の朝、天気はいいんですが、やはり朝だけあっていくぶん寒いです。
 国道357号から16号を抜けて、富津到着まで2時間半。
 ようやく待ち合わせ場所へ。

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 こら片方はオフロードを攻めに行く感じですが、片方は完全に配達ですね。

 そしてまずは気合を入れるかとラーメンを。
 このあたりでは、竹岡ラーメンというのが名物らしく。
 昼間になると行列ができるという「鈴屋」というお店へ。

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 竹岡ラーメンというのは、ほかとかなり変わっていまして。
 ふつうのラーメンでは、タレ(醤油ラーメンなら醤油タレ)に豚骨などでダシをとったスープを注いでスープにするんですが、竹岡ラーメンは醤油タレに麺をゆでたときのお湯をそのまま注いでスープにするというもの。
 そして、麺も普通はいわゆる生麺を使うものですが、この竹岡ラーメンは乾麺、つまり油で揚げて固めた麺を茹でて使います。
 つまり、作り方は家で作るインスタントラーメンと同じなのですな。
 ただし、それだけにスープはものすごくしっかりしています。
 なぜこんなことになっているのかというと、基本「早く作れておなかいっぱいになる」漁師飯なんだそうで。
 なので、スープははっきりいってものすごく脂っこいというかしつこいです。そのかわりいわゆるラーメンにあるコクみたいなものはほとんどなく、とにかく脂っこくて味が濃い感じ。
 麺は乾麺だからどうという感じはなく、普通の麺ですね。
 じゃあこれがまずいかというと、ぜんぜんそんなことないんですよ。むしろ美味い。すごく美味い。
 でも、とにかく濃いので、わたしはラーメンはスープまで飲み干すタイプなんですが、さすがにこれは半分以上飲みきれませんでした。こんなん飲んだらたぶんしばらく胃もたれしてると思う。そしてそのせいですごくおなかいっぱいになります。
 ライスを頼んで、いっしょに食べるとちょうどよいかもしれませんが、そうすると今度は量が問題になりそうだなあ。

 と、腹を満たしたところで出発。
 まずは金谷元名林道。
 林道というもの自体はじめてだったので、緊張しながら入っていったんですが、最初は普通の砂利道とか少し荒れた感じの道路かなあ、という感じ。
 これくらいならCBでも来られるなあと思っていたら、徐々に道が荒れてきて、だんだんと砂利というよりも土と石の荒れ道に。
 さあここからが本領発揮です。これが面白い。

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 いわゆるオフロードなんですが、うまくアクセルとブレーキと体重移動でバイクをコントロールしつつ、瞬時に通れそうな路面を見極めてそこに行くようにバイクを制御する感じ。
 シートから立ったほうがバイクが安定することもあるので、場合によってはステップの上に立ってみたり。
 なるほど、大型二輪をとった時の波状路ってのはこういうときに役立つわけだな。

 途中、竹岡林道という道への分岐があり、なんとなくこっちへ。
 行ってみた……ら、障害物のように大岩がよこだわっておりまして。
 行けるかな?とダメモトで突っ込んでみたら、なんなく乗り越えてしまいました。
 スーパーカブすげえ。

 で、ここから先はその岩のおかげで通る人がさらに少ないのか、もう荒れ放題です。
 昨日少し降った雨で泥だらけになってるのがすごく怖い。
 少しアクセルを開けると、ズルッとリアが滑ります。

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 最初はおおっとなるのですが、乗ってるうちにこれが普通になってきて、だんだんこのリアが滑るのを制御できるようになるというか、滑らせながら曲がっていくみたいなことができるようになってきます。
 こうなると楽しいんですよね。
 あとはクレバスってんですか、地面がかなり広範囲にえぐれてたりするんですが、そこをうまく超えながら走っていく感じ。
 泥でヌタヌタになってるようなところも、勢いを付けて一気に行けば、まっすぐは進まないものの突破はできます。

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 足をとられたからとか、斜めに進んでいるからとアクセルを緩めてしまうと泥に埋まって取り返しがつかなくなるので、ここはもう勢いですね。
 そして、多少のガレ道なら、ぜんぜん普通に走れてしまうノーマルスーパーカブ90。
 エンジン音は完全に朝の新聞配達です。

 そこから進んでいった竹岡林道は途中で道が崩れて進めなくなっていて、仕方なく来た道を引き返して行きまして。
 最初の岩を超えたところで、まさか誰ともすれ違うまいと思っていたら、前からジムニーが2台……って、バイクじゃなくて4輪!?
 この先行けますか、みたいな話を少ししたんですが、そこにどう考えても不釣り合いなわたしのスーパーカブを見て「これで来たんですか」と驚いておりました。まあそらそうだ。
 ジムニーの方々は、4輪で林道をアタックするのが趣味の方々なようで、少し戻ったところにその集団のジムニーとランクルプラド、リフトアップされたキャリートラックが停まっておりました。ランクルプラドはまたこの細い道路では違う意味で怖いなあ。
 でもジムニーとか軽トラでこういうとこ来るのも面白そうではありますね。
 金谷元名林道との分かれ道で少し休憩しつつ、竹岡林道を逆側に降りて、途中館山道の下で休憩。

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 そこから林道志駒線〜田取線。
 こちらも奥まっていけばいくほどに面白くなるのは変わらず。
 特に印象的なのは、志駒線の最奥部分にあるトンネルですね。

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 もちろん明かりなどなく、真っ暗。
 そして路面はものすごいぬかるんでいて、突っ込んでみてはじめてわかる泥道。
 上にも書いたとおり、ここで驚いてアクセルを緩めると停まってしまうので、勢いにまかせて突破します。
 かといって路面はちゃんと見ないと障害物に乗り上げたりしたり一発転倒ですから、このあたりが面白いところ。

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 上の写真をよく見るとわかるとおり、GoProをつけて動画をとったりしてたんですが、振動が凄すぎてGoProのマウントが折れたくらいのガレ道でございました。

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 いちばん奥は沢で行き止まり。
 ここで引き返してきます。
 とにかく自然に帰ってる感じと、まわりになにもない感じがものすごい。
 最後に大鹿倉林道から房総スカイラインへ出て、日没が近そうなので房総暴走終了です。
 その後家までまた2時間半かけて帰るのが大変だった。

 いやはや、林道アタックは想像以上に面白いです。
 スピードを出すようなものではないのですが、それと同じくらいスリリングだし、とっさの判断と身体でバイクを操る感じはすごく運動。
 そして、リアが滑るのをコントロールしながら走らせるとか、車体をうまく操らないといけないこの感じは、やってるうちにバイクの運転がすごく上手くなる気がする。
 ただし、すごく面白いんだけど、一人で来たらダメですね。
 慣れてくれば一人でも大丈夫なのかもしれませんが、今回みたいなガレ道を攻めるなら、たとえば泥にハマったり溝に落ちたりしたら一人では起こすことも持ち上げることもできなくなりかねません。
 同じ道を人が来るとは限らないですし、携帯電話も通じないところも多いので、なにかあったときのことを考えれば、最低でも二人できたほうが絶対にいいと思います。

 そしてもうひとつ、結論としては、「カブの走破性は、やっぱりすごい」ってことでいいんじゃないかと。
 もちろんオフロード車には遠く及びませんが、オフロード車にないメリットも多数あるなあと。
 最大のメリットは、とにかく軽量であること。
 スーパーカブ90の重量は86キロしかありません。
 CBは230キロ近いですし、軽量で知られるオフロード車もだいたい120キロ前後。
 今回同行してくれたトリッカーは125キロです。
 それより30キロ以上軽いんですよ。
 いざ泥にはまったとか、溝に落ちたとかいうときは、押したり持ち上げたりして無理やり動かすことが必要になることもあるわけですね。
 こういうとき、86キロという重量が効いてきます。
 えいやっと持ち上げれば一人でも持ち上がるし、男性が二人いればさらに楽勝です。
 これ実はすごく大きい。

 そして、この軽さと絡むところでは、ビジネスバイクならではの足つきのよさ。
 オフロードバイクは、道なき道を進むため、大径ホイールとストロークのあるサスで車高が高くなっています。
 日本向けに売られているオフ車はそれでもシート高はだいぶ低く、足が届かない!ってことはないでしょうけど、それでもやはり高い。
 クロカン4WD車もそうですが、高いことで走破性が上がるんだから当たり前ですね。
 カブの場合、バイクを地面に垂直に立ててなお両足がべったり付く低さ。
 これがとてもいい。
 さっきのような、岩山や溝を越えるのに一気にアクセルを開けてローギアで進むとかいう場合、垂直状態で両足がつき、そのままアクセルを開けられるのってすごく安心できるんです。
 オフ車だと、足を安定させようとすればバイクを少し斜めにするしかないですから、多少不安定にならざるをえないわけで。
 そのかわり、下回りが当たるような岩とかは超えられません。オフ車はその下回りの余裕があることでかなりマージンがあります。
 慣れてくると後者のほうがメリットがありそうですが、初心者が安心して楽しむには前者のほうがよさげ。
 でも、今回それで「下回りが当たるほど高くて超えられない」問題が発生したのは1箇所だけでした。

 それと、クラッチのないロータリ式ミッション。
 一本橋みたいなゆっくり進むときにはクラッチがあったほうが圧倒的に楽なんですが、ギアを選びたい時に足だけで選べるってのは想像以上に大きいです。とにかくひとつひとつの操作に集中できる感じ。
 そして、さっきも書いたような押し歩きのときは、泥にハマったときとか押した状態でアクセルを開けて勢いを付けるわけですが、これもクラッチがあるとクラッチを操作しつつアクセルを開ける必要があるのに対し、アクセルだけだといくらでも押しやすい体勢がとれるわけですね。
 スクータと違い、パワーのあるギアのまま固定して走れるので、スクータよりもフレキシブルで、クラッチ付きのバイクよりもいざというときの対処がしやすいわけです。

 逆に車高が低いぶん、エンジンが当たるようなところは車体ごと持ち上げないと超えられません。
 また、燃費がいいことで知られるスーパーカブも、今回の林道走行のように1速2速の全開走行を続けていれば燃費は悪化します。そして、その割にタンク容量は4リットル程度しかないので、給油所がしばらくないような状況では少し心もとないです。予備のガソリンを持ち歩けるなら持って行ったほうがいいかもしれません。

 スーパーカブの新しい楽しみ方を発見した感じですね。
 ちょっと本格的にハマってしまいそうですが、しかし行くまでが遠いんだよなあ。
 往復5時間ですからねえ。
 クルマと高速道路なら名古屋まで行って帰ってこられますね。

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posted by TAKAMI Yui at 19:10| Comment(0) | スーパーカブ90