2015年06月08日

マツダ ロードスター(Sスペシャル)

 クルマが好きな人の多くが「ああ、欲しいなあ」と思うけど、実際に買うかどうかと云われるとうむむとなるもののひとつは、このオープン2シーターというカテゴリのクルマではないかなと思います。
 キャンピングカーもそうですけどね。
 なんというか、一日二日借りて乗るにはいいけど、それを所有して足にするにはちょっと、みたいな。スーパーカーとかもそうかな。

 共通してるのは、「すっげえ楽しそうだけど、それ一台で生活すべてまかなうにはちょっと」ってことなんじゃないかと思います。
 キャンピングカーならなんかでかくてスーパーの駐車場とかに入りそうもないし葬式には乗り付けられないし(日本人的と云われようと、日本人なんだからこれは結構重要なんじゃないかと思うんですよ)、2人乗りオープンカーなんて2人しか乗れないから、既に子どもがいる夫婦が全員で移動することすらままならんわけです。
 高いとか安いとかじゃなく、キャンピングカーにしてもそこらのオープン2シータにしてもクラウンとかアルファードよりぜんぜん安いのもいっぱいあるんですが、そういうことじゃないと。
 で、2台クルマが持てるならこの手のクルマともう1台みたいなこともできますしいいんでしょうけど、なかなかそうもいかない。海外みたいに複数持ちが当たり前ならこういうの欲しいんだけどね……みたいなことで。
 そんな遊びクルマが、維持費の安い軽自動車ならなんとか……ってことで、コペンとかこんどホンダから出たS660あたりが支持されてるんじゃないかなと思います。
 独身ならぜんぜん2人乗り1台でいけちゃうんですけどね。2人以上が乗ることなんかめったにないわけですから。

 というところでロードスターです。
 初代のユーノス・ロードスターが、死にかけていたこのライトウエイト後輪駆動2人乗りオープンカーというカテゴリを復活させたってのはよく云われる話で、これがバブルの仇花のような一発屋ではなく、ずっと絶え間なくアップデートしたモデルチェンジを経ているところが偉いわけです。
 そんなロードスターもついに4代目。

rs.jpg

 イマドキのマツダデザインになりました。全体としてはシャープになったNB型に近い感じですかね。
 前モデルのNC型が、(実際に大きいとはいえ)ちょっともっさりした感じのデザインだったので、すごくスリムになった感じがあります。
 というか、なんか外車っぽい。特にリアドアから後ろ側は、なんだかイタフラ車のデザインみたいです。

 このクルマ、WEBとかの写真で見るとなんかちょっといまひとつな感じがあったんですけど、実際に見るとけっこうカッコいいんですね。
 これなんでだろうと思ったんですけど、ナンバープレートがついてるからかな?と。
 写真だとだいたいナンバーがないか、あるいはついててもロードスターのロゴが入った黒いナンバーなので、グリル(というのか)がすごく大きく見えるんですね。
 ここに日本のナンバープレートである白が入ると、ワンポイントになるんですよ。
 だからかも。

 そして、オープン状態のほうが圧倒的にサマになりますね、このクルマは。
 ちなみにホロは手動のみ。NCにあった電動屋根はオプションにすらありません。
 ただ、ものすごく軽量で軽く動くので、運転席から信号待ちのときに閉めるなんてのも簡単にできそうです。
 これはとてもよいですね。
 こんなものは雨さえ漏らなければシンプルなほどいいんです。いや、ほんとに。かつてビート(初代のやつ)に乗ってたわたしが云うんだから。

 実際に乗ってみると、1.5リッターで131馬力ですから、びっくりするようなパワーはありません。トルクがあるのでどかんと加速してくれますが、伸びはないです。
 でも、クルマが軽いからか(試乗車はSスペシャルだったので1トンをわずかに超えてましたが、標準のSグレードなら990キロです)、町の中でコーナーひとつ曲がるだけですごく素直なのがわかってびっくりします。なんというか、行きたいところにすっと行く感じ。そしてもう、これがすべて。

 って、ロードスターって初代からそうでしたけど、基本そういうクルマでしたね。
 湾岸をかっとぶようなクルマではなく、屋根を開けて山道をちょっとペースをあげてドライブするとか。
 狭いサーキットであれば動きが素直なぶん速いとか。
 で、NAやNBあたりと大きく違うのは、ある程度電子制御が入ってくることでしょう。
 新しいクルマだから当たり前なんですけどね。
 クルマ自体がある程度の無茶を許容してくれるのをよしとするかつまらんと思うかは人それぞれですが、安全に運転を愉しむってことで云えば、NC型を進化させたようなすごくいい感じなんじゃないかと。
 なんていうか、持ってるだけで楽しくなるような雰囲気ってすごく大切ですし、実際に運転しててもすごく楽しいんですよ。
 運転するということ「そのもの」を楽しむクルマです。
 それゆえに(?)、オープンで乗ってると風の巻き込みが割とあります。気になるほどではないんですけど、これが逆にすごくいいんですよ。
 風の巻き込みを感じたくないならクローズドのクーペに乗れ!ってなもんです。

 それとこのクルマ、スポーツカー的なポジションゆえ、シート高がかなり低いです。
 これは運転の操縦性をかんがえればいいことですし、レーシングカーのような雰囲気もあって気分的には悪くないんですけど、オープンにしてドアサッシに腕を置くような乗り方がしづらいんですよね。腕のほうが上にきちゃう。
 そらわたしがちっちゃいだけか。

 あ、あと、これはMTで乗ったほうがいいと思います。
 ATだと楽しめないってなことを云うつもりはないですけど、ここまで「運転そのものを愉しんでください」クルマなら、ギアを使って遊んだほうが楽しいかなと。
 最近のクルマだと、ATも優秀になってますから、わたしみたいな素人が乗るならATのほうが速いと思いますけどね。速さを競うようなクルマではないわけですから。

 ……とはいえまあ、諸経費入れてナビがついた「Sスペシャル」で300万円を超えるわけなんで、遊びクルマとしてこれを買うにはまあそれなりに裕福な人になってくるのかなあ。
 あるいは、若い人がコレ一台で持つのをえらぶとき、86/BRZのライバルとしてもよさそう。値段もだいたい同じくらいで、こちらはオープンだけど2シータ、向こうはクローズドだけど2リッタで、みたいな。
 性格は違うけど、どっちも運転を愉しませようという根本は同じだと思います。どちらかというと86/BRZのほうが、少しだけ「速く走らせる」というほうに寄ってるかなあ、くらいの感じ。

 ま、物価水準が昔と今とで違うとはいえ、100万円台後半で買えたNAやNBに比べると高級車になった感はありますね。
 まあ実際、ついてる装備も高級車のそれで、NAやNBにあった標準車とか86のベースグレードみたいな、なんにもついてないけど軽くて走り向きですみたいなのはないんですけども。
 そのあたりでもやはり、サーキットでタイムを出すのとはちがう、屋根を開けて、素直に動くクルマで運転を愉しむ、というのが基本コンセプトな感じがありますね。
posted by TAKAMI Yui at 16:58| Comment(0) | 試乗
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