2013年02月04日

三菱・ミラージュ G

 以前もちょっとここで触れた「復活ミラージュ」。
 マーチに続く東南アジア(タイ)生産で徹底的にコストを下げ、エンジンはDOHC 4バルブ3気筒の1リッタエンジンのみ、ミッションもCVTのみ、グレードの違いは装備の違いのみというシステムにまで合理化をはかり、この激戦コンパクトカー市場に打って出ようというクルマです。

 ただし、いきなりカネの話で申し訳ないのですが、これはマーチもそうなのですけれど、「東南アジア生産でとにかく安く」を標榜する割に、実際にはそんなに安くはないんじゃないかなあ。
 同じような装備で比べてみると、ヴィッツの「F」グレードスマートストップパッケージが136万円に対し、ミラージュの「G」が128.8万円。
 まあ、この価格帯での8万円は大きいですけど、値引きとかでひっくり返っちゃうんじゃ?という差でもあるわけでして。
 もちろん、ミラージュの「G」は最上級グレードですから、ヴィッツにはないフルオートエアコンだったりオートライトなんかもついてて、トータルで見るともうちょっと価格差は広がるんでしょうけれど、とりあえずスマートエントリだけあれば、というのが欲しいということになればこういう感覚になってしまいます。
 しかもヴィッツは1.3リッタ、ミラージュは1リッタですから、このあたりも考慮していくと、実質的な価格差ってあるのかなあ?というのが正直なところで。
 むしろ、マーチと同じく、これも最下級グレードにこそ存在意義があるのかもしれません。
 スマートエントリキーもいらん、アイドリングストップもいらん(実際これいらないと思います)というのであれば、一番下のグレードで十分。
 ってなことで云えば、ヴィッツの「F」グレードの1リッタモデル(つまり一番安いやつ)は122.1万円、ミラージュの「E」は98.8万円で、20万円以上の差がありますから、「とりあえず足代わりでなんでもいいから安いやつ」ならミラージュの勝ちになります。
 そのかわり、色の選択肢もあまりない営業車みたいなグレードですけど。
 どれくらいかっていうと、内装の写真がカタログに掲載されていないくらい。
 どんだけなんだ……カタログに表記できないほどの代物なのかしら、と思ってしまいますな。
 まあ、おそらく普通に「メインとしてコンパクトカーが欲しい」ならひとつ上の「M」グレード(118.8万円)からの選択肢になるでしょうから、これで考えると他車と比べて価格の優位性がどれだけあるのか、というのはちょっと微妙なところですね。

 ヴィッツだからまだ差があるものの、サイズ的に似通っているパッソとかになると価格差はあってなきものになってきます。
 オートエアコンやスマートエントリキーがつく「パッソ X 1.0Lパッケージ」で121.5万円。パッソはアイドリングストップがオプションですが、それをつけても130万円。
 逆に一番安い「素の」グレードで、パッソ102万円。
 実質的なライバルがこっちだとすると、価格的な優位性はほぼなしと云っても過言ではありません。

 ま、それでも中身がよければいいだろう!ということで、じゃあ中身はというと。

 まずデザイン。

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 これね、実際に見てみると悪くないんですよ。
 アクアとマーチを足して2で割ったような顔でして、コンパクトカーって「かわいい」に丸振りか、あるいは「いかつい」に丸振りかの極端なのが多い中で、これはその中間にある感じ。
 男性が乗っても女性が乗っても大丈夫なデザイン。
 自己主張はあまりないものの、そのあたりもコンパクトカーらしいのかもしれません。
 後ろから見たデザインも結構秀逸で、ちょっと低く見えるまとまったデザインなのではないかと思います。

 ただ、空力デザインというか、エアロデザインの影響で、ボディサイドにプレスラインが入っており、そのプレスラインにドアのキャッチハンドルが追いやられ、妙に下に来ています。

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 これ、慣れないとちょっと戸惑うかも。
 慣れてもこの位置、少し使いづらいんじゃないかなあ。
 荷物持ってるときとか特に。

 室内は、見た感じ安っぽさはそんなにありません。
 もちろん上質かといわれたらそうではないですが、「まあ、こんなもんでしょう」という感じ。

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 簡単に見えるところはトリムで隠されていて、簡単に見えないところ(リアハッチの内側とか)は鉄板むき出し、みたいな割り切りではありますので、こういうところが気になる人はいるかも。
 でもまあ、たしかに引き算の哲学というか、とにかく最低限のもの以外はついてない潔さではあるのですが、それでも「うひゃあ、安っぽい!」という感じはありません。
 まあ、わたし普段乗ってるのが鉄板むきだしのライトエースと軽トラックだからこそかもしれませんが。

 別にどうでもいいのですがちょっと笑ったのは、

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 国産車の180キロスケールではなく、200キロまで数字が刻まれています。
 このあたりも輸入車っぽいですね。
 リミッタ云々以前に絶対出ないでしょうけど。

 ただ、フロントシートがちょっと小ぶりなのが気になりました。
 スペースのためなのかもしれませんが、特に前方向にスペースが削られていて、長距離乗ると疲れそうです。
 この手のクルマは長距離乗られることなんか少ないでしょう、という割り切りでしょうか。

 リアシートはそれなり。標準的な広さです。
 フィットのような余裕があるわけではありませんが、4人なら普通に乗れるかな、というところ。
 5人はきついかな。

 ボディの大きさの割に荷室は広く、これは間違いなくこのクルマの特筆ポイントでしょう。
 もちろんシートも倒れますから、ある程度の荷物も積めますし、倒さなくても結構入ってしまいそうです。
 もちろん、フィットのように凝った倒れ方をしたりするわけではないので、あのクルマと比べると酷ではあるのですが……というか、フィットがそのへん優等生すぎるのでありますな。あれと比べたらどんな車も勝てません。だからこそベストセラーなんでしょうし。

 とまあ、印象は意外と悪くないんですよ。
 ところが。

 乗ってみると……乗ってみると……うーん。
 ちょっとこれはいくらなんでも荒削りすぎるのでは?といわざるをえないのが正直なところでして。

 エンジンスペックを見ると、69馬力という馬力は一昔前のターボ付き軽自動車くらいのものですが、重量は昨今の重量が増したクルマからすると圧倒的に軽い870キロ(Eグレードは860キロ)。
 パワーウエイトレシオではハイト系軽自動車よりも優れていますし、なにより軽さは七難隠すというくらい大切な要素ですからね。
 ただし、スズキのアルトエコがやったのと同じ方法で、燃料タンクは35リットルと少なく、それによる「見せかけの軽さ」でもあるのでしょうが……まあ、それは云いません。
 とはいえ、軽いのは事実ですから、乗ってみると意外と走るのでは?と思っていたのですが、このCVTがまた例の「もわーん加速」でして……いや、しかも、今まで乗ったCVTの中でいちばんひどくて……「これエンジンかCVTかどっちか壊れてるんじゃないか!?」というレベル。
 個体差かもしれないのでこれが全部そうなのかどうかはわかりませんが。

 信号が青になり、アクセルを踏むのですが、ちょっとどうかというくらい加速がかったるいと。
 おや?と思って少し大きめにアクセルを踏むと、その踏みしろに見合わないもっさりした感じで「もわーっ」と加速していき、ある一定のポイントで空転したギアがいっきにつながったようにぼこんと一瞬加速します。
 その波に乗ればいつものCVT感覚(褒めてません)なのですが。
 このもっさり加速は、ギアポジションをドライブ(D)からスポーツモード?(Ds)にすると多少ましになります。多少ですが。
 が、そうして加速を少し改善したとしても、アクセルを抜くと、エンジンブレーキの感覚なのかなんなのか、がくがくと車体が不安定に揺れます。エネルギを回収してバッテリに戻したりなんかしてるらしいので、その影響ですかね。
 さらに足回りもかなりアレで、60キロくらいですでにステアリングの感じが明らかに不安定になってきます。ふらっとヨレるというか、そういう感じ。運転していて明らかに違和感を感じるレベルでの揺れです。
 まさに「どこへすっとんでいくかわからない」ので、ちょっとスピードを出す気にはなれないですが、そもそも「どこへすっとんでいくかわからないレベルまで加速するのがたいへん」という、ある意味合理的……なのか?
 高速道路どこおか、60キロ以上出して走るのもちょっと怖いなあ、という感じで、この試乗車ならではの個体差であればいいのですが、そうでないとすると、とてもじゃないけどオススメしませんという代物です。

 おそらく、エンジンの出来は実用エンジンとして悪くはないと思うのですが、このCVTと足回りはダメです。いまのこの激戦区である日本のコンパクトカー市場で戦うには、完成度という意味では勝負になりません。
 これは別に東南アジア生産だからとかそういう話ではなくて、そもそもの機構の煮詰めの問題なのではないかなあ。
 今のままでは、「こんなパワートレーンじゃかったるいわ!」というのが正直なところです。排気量を上げるかCVTを劇的に改良するかどっちかですね。あるいはもうみんなMTで乗ろうよ、と。

 ……ので、スタイルが好きとか、三菱ディーラに縁があるとか、まあ安ければいいやというのでなければ、あえてこれを選ぶ理由もとくにない、というのが乗ってみた正直な感想なのですが……。
 あえてミラージュのメリットをいうなら燃費ですかね。
 ハイブリッドなどではない、コンベンショナルなガソリンエンジン車ではトップなんだそうです。
 でもこれも、もはや実際に使うにはあまり差がないですからねえ。
 荷室も広いとはいえ、フィットには及ばないですから、なかなか難しいです。
 あと、このクルマに限ったことではないですが、いくら燃費のためと云っても、燃料タンクを削る方向で車重を軽くするのはやめてほしいんだよなあ。

 800キロ台の車両重量は存在意義としてはなかなかのものですし、このシンプルさみたいなものを活かすということであれば、なんかスポーツグレードしかないかもしれないですね。
 もともと三菱はラリーイメージですから、CVTは話にならんのでこれはMTにして、軽量で、過給100馬力くらいで、ちょうどダイハツのストーリアやブーンのX4みたいな。
 ただし、このハンドリングや足回りではスポーツどころか普通に走るだけでもおっかないので、このあたりはちゃんと煮詰めた上で。
 もちろんこれただのイメージ戦略の問題で、こんなものが大量に出るわけがないですから根本的な解決にはならないですし、現状厳しい三菱ではなかなか難しいのかもしれませんが、あえてこのクルマに存在意義をつけるとすればそこかなあ、という。
 せめて海外では売ってるであろうMTを入れるだけで、ライトウェイトFFスポーツとしての存在意義は出るかもしれません。ミラやアルトのバンとか、かつてのエッセECOの使われ方ですね。軽量ボディに乗っかったローパワーのエンジンをぶんまわす楽しみ、みたいな。

 ……とまあ、クルマが好きな人間からすれば(当然のように)そういう発想になるわけなんですけど、実はそういうことではないんではないかなと思うワケですね。このクルマは。

 やれMTだ、ぶん回す楽しみだ、やれスポーツグレードだなんてのは、おそらくこのクルマの設計思想からして「違う」のでしょう。
 ミラージュに限ったことではないですが、マーチにしてもミライースやアルトエコにしても、「安い」「燃費いい」が前面に押し出されたクルマというのは、クルマ好きが乗ってどうこう云うようなものではおそらくありません。
「なんかクルマ欲しいなあ、近くに三菱ディーラあるし、あそこで売ってるちっちゃいの買うか」って買われる類の、いわゆる白物家電みたいなもんなんでしょう。
 だから、ハンドリングが悪いとか、加速がかったるいとか云ったって、そんなもの近所のスーパーと駅までの送り迎えにしか使わず、年間5000キロくらいしか乗られないなら関係ありません。
 そんなことより1円でも値段が安くて維持費が安いほうが重要ですよと。

 それはそれで正しいと思うんですよ。
 自動車評論家が、いくら「フォルクスワーゲンUp!」はすごい出来!値段も性能からすると安いし燃費もいいし、国産コンパクト買うくらいならちょっと奮発してこれ!って云ったって、同じような車格の国産車なら50万円は安いし、燃料はハイオクになっちゃうし、そういう客層から求められるものがまったく違うわけです。
 時速80キロ以上の速度を一度も出さないまま生涯を終えるクルマだって世の中にはたくさんある、ってことですね。そこにハンドリングだリニアな加速だを持ち込んでも仕方ないと。もっといえば「運転する楽しさ」とか、そんなものすら必要ないと。
 そういう人には、燃費がよくてとりあえず安いこの手の「白物家電クルマ」は最適解です。
 悪口とかイヤミとかではなくて、クルマをこういう使い方をする人に「ゴルフは安全性も燃費も走行安定性もすごくいいですよ」って薦めても仕方がないってことですね。仮にそれが本当でも、そんな安定性が発揮できるような使い方をしないわけですから。こりゃもう使われ方の違いなわけです。
 クルマが好きな人間からすると、「こりゃあないでしょ!」っていうような性能でも、そんな性能使わないんであれば関係ありません。
 逆に、たとえばクルマ好きからすればサンルーフとか「屋根が開くのがいいんじゃないか!」って云ったって、こういう使い方をする人から見たら「そんなん必要ないでしょ」っていう話で切り捨てられたりするでしょう。

 たとえばですけど、わたしが炊飯器を買うときに、「こっちの機種は1万円高いんですけど、すっごくおいしいパウンドケーキも作れるんですよ。本来これと同等のケーキを焼くには10万円の機械が必要なんですよ」って云われたところで、「いや、そんなもの作らないから1万円安いやつをください」って云うと思うのですよね。
 でも、パウンドケーキを作る人なら、「たった1万円の追加でこんなおいしいパウンドケーキが焼ける! それ絶対お得!」っていう人もいるでしょう。
 後者からすれば、わたしの買い物は「たった1万円でパウンドケーキが焼けて、パウンドケーキを焼く機械は1万円じゃ買えないから絶対にお得なのに、なんでそっちにしないんだろう」と不思議でたまらないと思います。
 でもわたしからすれば、たとえ本来パウンドケーキを焼く機械が10万円して、それが1万円追加で買えるんだとしても、焼かないんだから意味がないわけですよ。
 たとえ1万円以上の価値がある優れた機能だろうと、使わないんだから1万円だって払いたくないわけです。
 なんかきっと、そういうもんなのかなと。

 だからこれまた評論家の方がいうような「ミラージュでなければならない理由」なんか、買う人の多くにとっては必要なくて、そんなものは「色とかデザインが気に入ったから」とか「いちばん安かったから」とか、もっといえば「近くに三菱ディーラがあったから」で十分なわけです。
 BRZや86とかあるいは評論家の方が好きなマニアックな外車とか、そういうのと根本的に「買われ方」が違うわけなんですね。

 なので、昔の「サイボーグ」とかがあった頃のミラージュのイメージがどうしてもある中で、現代のミラージュはクルマ好きが買って楽しいクルマではおそらくないですし、作り手も売り手もそっちには向いていません。
 仮にわたしがこの手のコンパクトカーを買うことになって、あれこれ選んだとしても、今のままではこのミラージュを選ぶことはないでしょう。それは仕方がないことです。
 そのカテゴリの中で、三菱の屋台骨を支えてくれるようなクルマになってくれればいいのですけれどもね。

 うーん、がんばれミラージュ。
posted by TAKAMI Yui at 12:11| Comment(0) | 試乗

2013年01月31日

トヨタ・クラウン 2.5アスリートG

 なんじゃこの顔は!と多くの人が思ったであろう新型クラウンです。

 クラウンといえば、中間管理職くらいのマーク2を卒業したおっちゃんが意を決して買うイメージか、あるいは若いあんちゃんが車高下げてボーボー云うマフラーひっさげて、踏切を渡れずに困ってるイメージか、あるいは個人タクシーとパトカー、みたいな。
 つまりまあ、「保守的高級車」の典型なわけですね。
 それがいいとか悪いではなくて、クラウンというクルマはそうして育ってきたわけで、それでいいわけですよ。
 だって、そういうイメージがほしくて、レクサスもあれば外車も安くなってきたこのご時世にわざわざ「トヨタ・クラウン」の王冠マークを買うわけですから。
 高級車といえば、でかいグリルがあってちょっと威圧感があり、威張った感じがあって、高級をふりまいて走るもの。
 それこそがクラウンに求められていたわけですね。

 で、そういう保守層にウケるスタイル、というのは、ある意味クラウンの命題だったわけです。
 それから外れたクラウンはほぼ例外なく売上的には「ハズレ」扱いになってしまったのも、当然といえば当然の話。
 昔でいえばクジラクラウンとか、最近(といってももう20年前ですが)の14系クラウンの初期型とか。
 保守に「こんなのクラウンじゃねーよ」と思われてしまったらもう終わりなわけです。

 つまり、クラウンは、少なくとも外観や雰囲気に「革新」など求められてはおらず、「革新」をひっさげて登場した2世代前の通称「ゼロクラウン」も、機構や走行性能はともかく、外観に目新しい雰囲気はありません。
 それでも大ヒットになったわけですから、クラウンはそれでいいんです。
 レクサスLSがメルセデスベンツの路線なら、クラウンはセンチュリー路線の、「高級感」を肌で感じさせてくれるものでなくてはいかんわけですね。

 で、これです。

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 いやー、すごいもんです。斬新とかいうレベルの話じゃない。
 「でかいグリルと威圧感」は格段に増しました……が、先代クラウンを持ってる人が「車検だからクラウン買い替えるか」とディーラに行ったら卒倒しそうなデザインです。
 もはや「保守層よさらば」と云いたげなこの凶悪なツラ構え。
 トヨタ内での企画会議でも相当紛糾したのではないでしょうか。
 上の画像はより挑戦的なデザインの「アスリート」ですが、伝統の「ロイヤル」でも、

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 これですからね。なんかボンネット開いてますが。
 かえすがえすも、すごいもんです。

 でも、トヨタはこれを出したわけです。
 それがすごいことですよね。
 クラウンはこういうもの、というイメージを見事にひっくり返しました。ほんとにニーズがあるかは別にして。
 マーク2がマークXになったときはこれほどまでに大きく変わらず、「なんだ、名前変わっただけじゃん」くらいの印象でしたが、これはもうそういうレベルではありません。
 しかもCMに使われるイメージカラー(実際に設定はありませんが)はピンク。
 もう誰を狙ってるのかさっぱりわかりません……が、あのピンク、結構綺麗なのですよね。
 暴走族が適当に塗ったくった感じとまた雰囲気が違います。
 いえまあ、どちらにしても、乗りまわすには勇気はいるでしょうけれど。
 ちゃんとあれも発売予定に入っているというのが凄いです。ある意味トヨタの本気を見た感じ。
 スキモノのお金持ちが意外と選ぶんじゃないかな、コレ。

 これ、よく云われるように、その押し出しの強さから「車高落としてマフラーボーボー」タイプの若者を狙ったとか、その手の若者が飛びつくとか云われてますが、それでもどうかなあ。
 この手の若者も、ほしいのはやっぱり「保守的高級感」なんじゃないかなあと思うんですが。
 クラウンっぽさが消えたこのクラウンに、中古車がその手の若者が買える値段になる10年後くらいに憧れられるかというと結構微妙かも、という気がしないでもありません。

 しかし、それ以上に、いままでクラウンを乗り換えていたような年配の方からすると、もはや生理的嫌悪感を覚えるくらいのデザインなんじゃないかという気もしますから、それに比べたら些細な問題でしょうし、その手の若者の多くは中古車になってから買うでしょうから、むしろこちらのほうがオオゴトですね。

 グリルが一体化した、いわゆるワッペングリルなんでしょうが、そのグリルを貫くであろうバンパが存在せず、グリルにナンバープレートが直接存在しているのがなによりも大きくて、なんとなく表情として「大口をあけている」ようにも見えます。
 これが「威圧感」につながっているのでしょうけれど。
 なので、ナンバープレートの上部ラインに、ボディ同色のラインが入るとだいぶ雰囲気かわるので、そういう社外品パーツが出るか、あるいはこれがほんとに販売不調ならそういうデザインに変わるかもしれませんね。
 実際、このナンバープレートのところにラインを一本入れてみると、それだけでものすごく「普通」の、いかにも「クラウンだなあ」ってなデザインになります。

 ところが実際に出てきたのはこれ。
 クラウンがどうとかではなく、国産車でこんなデザイン見たことないです。
 外車ではアウディあたりに似たような処理がありましたが、ここまでダイナミックではなかったですね。あえていうならブガッティ・ヴェイロンとか。
 デザインで云うなら、ゼロクラウンなんか比較にならないくらい「革新的」です。
 今までの「保守クラウン」をばっさり切り捨てたと云っても過言ではありません。
 ロイヤルのほうはまだ、グリルの食い込みが少ない分だけ保守的に見えなくもないですが、それも比較の問題ですね。

 逆にリアデザインはおとなしく、実に普通。
 マジェスタの「なんかカローラみたいだなあ」感はさすがにないですが、なんというか、ほんとに普通です。

 で、ですね。
 このデザイン、見たときは「マジかよ」と思うんですが、見慣れてくると、「結構いいんじゃない?」と思えてくるんですな。
 いえ、ブスも見慣れれば、的なことではなく、見ていると結構うまい処理がされているなあ、という。
 バンパのラインで切れ込みが入っているので、いちおうそこに表情がありますし、色にもよりますが初見で感じた違和感は結構すぐに落ち着きます。
 ただ、隣でディーラの人と話をしていたおじさんは「このデザインがなあ」を繰り返していたので、やはり慣れない人には徹底的に慣れないかもしれません。

 と、外観デザインばかりの話になってしまいましたが。
 インパネも割と革新的というかずいぶん近代的になりまして、ナビ画面の下に液晶モニタがもうひとつあり、エアコンなどはこちらで操作します。
 エアコンとナビが一体化しているとかえって使いづらいですから、これはいいかも。
 でも、使い勝手ってことでいえば、ブラインドタッチで操作できる普通のスイッチのほうがやっぱりいいかもですね。
 こういう風にボタンがどんどん液晶パネルになり、クルマの中からスイッチがどんどん消えていくのですなあ。

 トランク、後部座席の広さは申し分なし。
 このあたり、さすがパッセンジャーカーです。
 トランクスルーがないみたいですが、それは仕方ないのかなあ。

 乗ったのはアスリートの2.5Lモデル。
 足回りはロイヤルより若干硬いとのことでしたが、云われなければ分からない程度です。
 ほかは基本的に細かい装備以外はほとんど同じようなので、ついてる装備と外見でロイヤルかアスリートかを選ぶくらいでも問題ありません。
 なんとなくアスリートのほうが査定は高そうですが(イメージです)。

 ただ、車重があるからか、エンジンは2.5リットルはちょっと非力な印象。
 スピードに乗ってしまえばストレスないのですが、ゼロスタートから60キロくらいまでのところは、この手のクルマのイメージからすると少し大きめにアクセルを開ける感じはありました。
 当然ですが流れに乗れないほどではないので、よほどハイパワーを求めるのでなければ、2.5リットルでも十分だとは思いますが。
 2.5リッターならレギュラーガソリンでもいいとか、結構メリットも大きいですしね。
 サイズは旧型と変わっていないらしいので、取り回しもまあ、普通の大型車並み。
 見切りがいいのは最近の国産車のいい点です。それまでセダンに乗っていた人であれば戸惑うことはありません。

 全般的には「よくできたクルマ」ですから、クラウンを乗り継いでいる人が乗り換えてもなんの違和感もありませんし、グレードアップ感は感じられるでしょう。
 あとはもう、ほんとにこのデザインが許容できるかどうかですね。
 わたしはこれ、結構好きでして、これの白なんかすごくいいと思うんですが。
 少なくとも先代よりもずっとカッコよくなったと思います。

 そしてなにより、クラウンを変える!という強い意志のもとでこれを産んだんだとすれば、そのトヨタの英断もすごいと思います。
 アルファードやヴェルファイアを「高級車」として売り出すのがいわゆる従来の「保守高級路線」なのだとすれば、このクラウンはまさに「革新」でしょう。
 ほんと、がんばってほしいです。
posted by TAKAMI Yui at 16:07| Comment(0) | 試乗

2012年11月22日

BMW 320d BluePerformance

「日本はハイブリッド、欧州はディーゼル」というのが一昔前の自動車ジャーナリズムでよく使われていたタームでして、今はこれに加えていわゆるロープレッシャのダウンサイジングターボが加わってきているのでかなりいろいろ混じってきているのですが、いまでも欧州ではディーゼルが優位なのはあまり変わらないようです。
 EVなんてのもありますが、これはまあまだまだですね。

 フランス・パリの渋滞とかは有名ですし、日本は渋滞ばかり、欧州は渋滞がない高速巡行ばかりと簡単に割り切ることはできないのでしょうが、アウトバーンの存在や国境を越える長い道路など、やはりハイスピードレンジでの長距離走行が日本よりも多いのはままあるでしょう。
 ということになると、ストップ&ゴーには強いハイブリッドも、ハイスピードで走り続けるような状況では普通のガソリン車と変わらなくなってしまいますから、欧州ではやはりディーゼルやロープレッシャターボのようなもののほうがいい、ということになるのだと思います。

 ということで、欧州では古くから使われていたディーゼルエンジンですが、日本ではどこぞの知事が十把一絡げに悪者扱いしてしまったせいで、一時期日本の普通乗用車からはほぼ完全に姿を消します。
 ディーゼルエンジンが得意とする、重量級のボディを持つSUV(当時の云い方をすれば「クロカン4駆」)やワンボックス車までガソリンエンジンになり、この手のクルマは概して燃費が悪いモノになってしまいました。
 まあ、当時のディーゼルエンジン車の一部は、確かに真っ黒いススを吐きながら走っているようなクルマも少なくありませんでしたから、やむなしなところもあったのでしょうけれどもね。

 最近ではそういった厳しい規制を乗り越えて、ディーゼルエンジンの復権が始まりつつありますが、国産車ではまだまだ、恐る恐るといった状況です。
 そこに目を付けたのが(?)、昔からディーゼルエンジンを普通に使ってきた欧州メーカで、メルセデスがW211Eクラスでブルーテックというディーゼルエンジンのモデルを入れてきたりしていまして、その潮流の中でBMWもついに新しい3シリーズでディーゼルのモデルを正規輸入することになった感じですね(正確には、アルピナブランドでE90時代にD3ビターボというモデルが限定で正規輸入されましたが)。

 この3シリーズ、コンベンショナルなレシプロガソリンエンジンモデルとディーゼル(ともに過給機付き)、さらにはハイブリッドまで用意されているという、表向きかなりエコ指向になりました。
 しかもハイブリッド以外のモデルは4気筒のロープレッシャターボで、「シルキーシックス」などといわれていたBMWの直6エンジンは完全に裏手に回っている感じになっています。
 高級車としてのCクラス、スポーツセダンとしての3シリーズ、という区切りがなんとなく3シリーズに抱いていたイメージだったのですが、このイメージを捨ててしまったのかなと思ったんですね。
 まあ、それはそれで時代が求めることですし仕方がないのかなと。
 で、気になったので乗ってきました。

 スタイルはE90よりもE46に近い、すらっとしたボディになりました。
 ヘッドライトまわりとかも結構攻撃的で、E90とはまた違った迫力はあります。
 ボディが横に長いので、こういうデザインでもまとまって見えますね。
 E90よりもボディサイズはさらに拡大してるみたいです。

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 試乗車はディーゼルのノーマルモデル。
 「Modern」「Sports」「Luxuary」と、伝統の「Mスポーツ」といろいろとバリエーションがありますが、Mスポーツ以外は外観と内装が違うだけなので、好きに選べばいいみたいですね。
 Mスポーツだけはタイヤサイズが19インチになったりかなりスポーツ志向に振られているようです。でもさすがに19インチはオーバースペックじゃないかなあ。
 E46のMスポーツは17インチでしたが、それでもタイヤが高くて大変でしたからねえ。
 ノーマルモデルでもHIDとかナビとか、欲しいものはほとんどついてきますので、これで十分なんじゃないかな。

 エンジンスタートはプッシュボタン。
 エンジンをかけると驚くのは、音が以外と入ってくること。
 メルセデスW211のディーゼルに乗った時は、室内にはほとんど音が入ってこず、ボンネットを開けてはじめて音が聞こえるかな、程度だったので、これは意外と言えば意外です。
 当然その音は、イマドキのディーゼルっぽい「カラカラカラ」という音ですが、昔のディーゼル車のような重苦しいガラガラ音ではないですし、うるさくて仕方がないというほどではありません。
 E46でも室内にエンジン音が入ってくる感じはあって、これはスポーツイメージを高めるためということだそうですので、これも同じ発想なのかもしれません。
 アクセルを煽ってみると、その音は当然大きくなり、室内に入り込んできます。

 そのまま発進してみる……と、まずはその絶大なトルクに驚きます。
 これはW211でも感じていたことではあるのですが、ただでさえトルクの厚いディーゼルエンジン、さらに2リッタとはいえ過給されているので、とにかく速い!です。
 アクセルを踏んでいくと、あっという間に高速道路の巡航速度まで加速していく感じで、これはもしかしたらE46の330iより速いかも。
 タコメータのエンジン回転数はほとんど回っていないのがガソリンエンジンに慣れていると不思議に思えますね。
 ミッションはなんと8AT(!)で、これもまた加速のよさにつながっているのかも。

 足回りは、以前乗っていたMスポーツのような硬さはなく、「ちょっと硬いかも」という程度の、いわゆるイマドキの乗用車の硬さです。
 これなら同乗者も不快感は覚えないのではないかな。
 これもやはり、Mスポーツにするとちょっと硬すぎるかも。
 操作系では、ステアリングのほどよい重さが久々に乗る欧州車ですね。これくらいのほうが高速走行では疲れなくていいです。

 街乗りで信号のゴーストップを繰り返していると、さっきまで車内に響いていたエンジン音がさほど気にならなくなります。
 つまりまあ、短い試乗の間で慣れてしまう程度の音だった、ってことですね。
 そこからぐっとアクセルを踏むとやはり音は室内に響きますが、ディーゼルののんびりしたイメージとは不釣り合いなスポーツカーチックな音になってくるのが面白いです。
 つまりまあ、ディーゼルになろうがターボがつこうが4気筒になろうが、BMWならではの「駆け抜ける喜び」はまったくなくなってない、ってことですね。

 一回り乗りまわして、燃費計で見ると、ハードに乗りまわされている試乗車で14キロの表示。
 街乗り14キロってかなり凄いです。
 E46は街乗りで5〜6キロ程度でしたからね。
 排気量の違いはあるとはいえ、イマドキのエコ技術を垣間見た感じでした。
 高速道路に上がっても、100キロ程度ならエンジンがほとんど回らないで巡行できるので、燃費は逆によくなりそうです。

 日本で欧州車を買うことを考えると、どうしても「燃料がハイオク指定」というのがネックになります。
 メルセデスやBMWならそれでもいいのでしょうけれど、VWみたいなクラスになると、たとえ国産コンパクトカーと同じ燃費をたたき出したとしても、1リットルあたりおよそ10円高くなるわけなのでそのメリットが消し飛んでしまうのですね。
 だから、コストパフォーマンスを売るよりも、「これだけの付加価値があります」って売るしかなかったわけですけど、このディーゼルならレギュラーガソリンよりもさらに20円近く安い軽油が使えるわけですから、これはもう文句なしに経済的です。

 さらに、ガソリンエンジンの320iとこの320dでは、価格差は20万円しかありません。
 使い方にもよりますが、長距離を走る人なら、結構簡単に元がとれてしまうのではないかと思います。
 この手の比較で「元が取れる」ケースってめったにないので(それはおそらく、プリウスのようなハイブリッドカーでもそうでしょう)、あの音がどうしても気になるとかディーゼルが生理的に嫌とかでなければこっちですね。
 ハイブリッドはガソリンエンジンから200万円以上高いので、これはある意味特殊用途というか、元が取れるとかいうレベルのハナシではないです。
 まあ、このアクティブハイブリッドはE90の335iと同じエンジンにハイブリッドシステムを追加したものだそうなので、燃費がどうしたとかそういうことではなく、335iのようなスポーツセダンを求めて買うもの、なのかもしれません。

 ということからすれば、今回の3シリーズの本命はディーゼルなのですが、悩ましいのは320i、つまり普通のガソリンエンジンモデルにはMTが設定されているのに、ディーゼルの320dはATだけになってしまうことです。
 320dにMTが設定されれば、あの厚いトルクをMTで操れることになるので、これは面白いと思うんですけども。
 とはいえ、今回のモデルでもちゃんと一応MTを入れてくれるところがありがたいところです。
 選択肢があるのとないのとでは大違いですから。

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posted by TAKAMI Yui at 13:28| Comment(0) | 試乗

2012年11月21日

メルセデスベンツ CLSシューティングブレーク

 以前も書いた、CLSのワゴン。
 正式名称は「CLS シューティングブレーク」。
 あまりにカッコよさげなんで思わず見にいってしまいました。
 あ、乗ってはいません。さすがに試乗車はまだなかったので。

 うーん、問答無用でカッコいいぞ、これ。
 荷物は積めないだろうけど、見て「うわ、いい!」と思わせる力があります。
 質実剛健をよしとするメルセデスファンからは受け入れられない存在でしょうけど、こんなのもアリかな、という。
 昔ながらのロー&ロング&ワイドな雰囲気と、低くスラントされたリアエンドの処理がすごくいいです。

 もともとこの「シューティングブレーク」って、「狩りに使うワゴン」ということだそうで、欧州のお金持ちが趣味で狩りにいって獲物をとったとき、やはりワゴンじゃないと荷物が載せられないと。
 普通の人ならそこでステーションワゴンのラインナップから選ぶのでしょうけれど、そこはお金持ち、普通のセダンやら場合によってはクーペやらを無理やりワゴンに仕立て上げさせるわけですね。
 ネットなんかで、ポルシェやフェラーリとかを無理やりワゴンにしてあるような写真を見かけることがありますが、あれがまさにそういうものなわけです。
 まあ、お金持ちの道楽ですね。
 だから、荷物がいっぱい積める!とか、そういうことは二の次。クーペやセダンより若干積めればいい、みたいな。
 これもある意味、欧州のブルジョワ文化のひとつかもしれませんね。

 というのが由来の乗り物なので、これはこれでひとつのあり方なわけですね。
 だからこれをもってして、「荷物積めない!」とか「使い勝手が悪い!」とかっていうのはナンセンスで、そのカッコに惚れたお金持ちが、セダンよりちょっと荷物積めればいいや、みたいな感覚で乗りまわす乗り物なんですな。
 実用性重視ならEクラスのワゴンがあるからそちらをどうぞ、みたいな。
 そうでもなければ、わざわざ居住性に劣るCLSをワゴンに仕立てる必要なんかありません。
 ものすごく贅沢な乗り物なんですよ、コレ。

 いちばん下のCLS350でも諸費用入れて1000万円越えですから、確かにこれはもうお金持ちの趣味車です。
 中古車が買いごろになるまでは逆立ちしても買えませんが、中古車が買いごろになる頃には古さが目立つデザインになってるでしょうし、ある意味でほんとにお金持ちが新車で旬のうちに乗りまわすためだけのクルマなのかも。
 でも何気に、セダンCLSが4人乗りなのに対してこちら5人乗りなので、それとなく実用性もアップしてます。

 しかしまあ、こういうものがメルセデスみたいなところから出てくるようになると、昭和〜平成初期に日本車が通ってきた道というのは必ずしも間違いではなかった、ということですね。
 カリーナEDみたいな、一応4ドアだけどやたらと背が低くて座席も狭い「4ドアクーペ」みたいなものとか、アコードワゴンやインプレッサスポーツワゴンみたいなカッコは一応ワゴンだけど積載能力はあまりありません、みたいな感じのクルマって既にありましたものね。
 自動車ジャーナリズムが「欧州はこんな非実用的なクルマを作らない! 見習え!」と蛇蝎のように嫌っている存在ではありましたが、今彼らはこのCLSやシューティングブレークを見てどう思っているのやら。
posted by TAKAMI Yui at 22:06| Comment(0) | 試乗

2012年07月10日

ホンダ・N BOX 追記

 前に書いたホンダのN BOXですが、ようやく実際に乗る機会がありました。

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 試乗車はカスタムのG Lパッケージ。
 電動スライドドアだのなんだのといろいろ装備が付いてやたら豪華な仕様ですが、エンジンはノンターボのもの。
 ターボエンジンは規制値いっぱいの64馬力ですが、NAは58馬力と、カタログでは6馬力落ち。
 1トン近い車重をこのエンジンでどれくらい引っ張れるのか?というのが気になっていたので、むしろこのNAモデルに乗ってみたかったのですよ。

 で、いざ動かしてみた……ら、案の定、ハコに限りなく近いデザインと、あちこちに張り巡らされたミラーのおかげでボディの見切りはすごくよくて、ほぼ死角を完全に消しています。
 あんまり運転しない、買い物と駅までの送迎にしか使わないという人にはコレはすごくいいんじゃないかな。
 取り回しで戸惑うようなことはほぼないかなと思います。

 運転感覚としては、やはり重心が高いので、コーナー時にやや上のほうが引っ張られるような感じがありますね。
 Dほど顕著ではないものの、このへんは軽1BOXに近いです。

 そして問題の動力性能。
 コレ……正直なところ、やっぱりちょっと鈍重です。
 ゼロからの加速では、アクセルを踏んでいってもエンジン音ばかり大きくなって、実際はそのエンジン音ほどに加速してない、という現象が起こります。
 エンジンが非力というのももちろんあるんでしょうけど、CVTの影響もあるのかなあ。
 もちろん非実用的というほどに非力ではないんですけど、よく雑誌なんかで書かれているような、「NAでも十分」というのはちょっとどうかなあってところかも。
 たとえばこれに人がフル乗車したらとか、荷物をいっぱいまで乗せたらとかってのは極論だとしても、高速道路とかの合流ではもう少し余裕が欲しくなると思います。
 じゃあターボならいいのか、というのは乗ってないんでわかんないんですけど。
 やっぱり車重が重すぎるんではないかなあ。
 コンパクトカーと同じくらいの重さなのに、排気量は半分ですからねえ。

 ただし、ほんとに町中しか走らないというニーズもあると思うので、そういう人には「これで十分」かと。
 その場合、カスタムでなくてもいいと思います。普通のモデルで十分。Lパッケージも要らない。
 10万円高でスライドドアが自動になるのは魅力って人は多いでしょうけど、なくても困りません。
 キーレスとか電動ミラーとか、「ちょっと欲しいな」っていうようなものは普通のモデルでついてますしね。
 それでいてウリである広さは変わらないわけですし。

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posted by TAKAMI Yui at 00:14| Comment(2) | 試乗